リレーの仕組みと選び方、使い方|回路例を用いてわかりやすく解説!
リレーって何を選べばいいの?
こんにちは、せでぃあ(@cediablog)です。
先に紹介した電気工作「じゃんけん装置」ではリレーが使われています。
ハード機器のみで電気回路を構築する場合、リレーは制御回路を構築する上で大変重宝する機器です。
- リレーの仕組みと接点の構造
- リレーの役割と回路例
- リレーの選定方法
リレーの仕組み
リレーとは
リレーとは外部からの信号を受け取り、別回路のオンオフ切り替えができる機器です。
例えば押しボタンを押したという条件をDC24V回路で組み、AC100V電源モーターを回転させることができます。
産業機器の制御盤内でもよく使われているFA機器で、電磁継電器とも呼ばれています。
リレーの種類
リレーは大きく分けて「有接点リレー」と「無接点リレー」に分かれます。
有接点リレー:電磁石を用いた、機械式接点を持つ
無接点リレー:半導体を用いた機械式な接点を持たないもの
電子工作で使うなら「有接点リレー」を選択しておけば間違いありません。
上記写真にありますように、電磁石により接点ブロックが引き寄せられて接点が切り替わる仕組みです。
ですので、この先は有接点リレーに特化した説明をします。
- 入力機器の耐電流を、有接点リレーコイル定格が超えるとき
- 入力信号に対して、素早い接点の応答性が求められるとき(カメラのストロボ照明等)
接点の種類
リレーの接点は3種類あります。
- a接点(メーク接点とも言う)
コイル印可電圧がOFFのとき、接点が開いている。
ONのときに接点が閉じて回路がつながる。 - b接点(ブレーク接点とも言う)
コイル印可電圧がOFFのとき、接点が閉じている。
ONのときに接点が開いて回路が解放される。 - c接点
a接点とb接点が付帯した接点。
ab接点側と異なる端子は共通線(コモン線という)。
リレーの動作を見てみよう
有接点リレーの動作を20秒で解説していますので、一度見ていただけると仕組みのイメージが伝わると思います。
リレーの役割
- 小さな入力信号を使って、大きな負荷を動かすことができる。
- 1つの入力から複数の異なる回路の開閉が可能。
小さな入力信号を使って、大きな負荷を動かすことができる
入力側の回路は、押しボタンを押したらコイルがONする回路です。
入力回路に流れる電流は主にコイル励磁分で、小さいです。
出力側の回路は、AC電源を使った白熱電球点灯回路です。
出力側は主に電力消費する機器が接続されるため、入力回路より大きな電流が流れます。
入力側と出力側の回路はそれぞれ独立しているため、別電源回路で回路構築が可能です。
このように、リレーを使うことで小さな押しボタン入力から、大きな電球点灯出力を行うことができます。
1つの入力から複数の異なる回路の開閉が可能
出力側のリレー接点は独立しています。
(上記説明写真では4つの接点が独立しています)
1つの入力回路条件を使って、複数の出力回路を開閉することが可能です。
上記回路例2のように、出力側回路は異なる電源であっても構築可能です。
リレーの選び方
- 接点数
- コイル電圧
- 接点定格
接点数
1つの入力信号を用いて、いくつの回路を開閉したいか?によります。
オムロン製のMYリレーを例に挙げると、以下の構成になります。
- MY2Nシリーズ:c接点×2
- MY3Nシリーズ:c接点×3
- MY4Nシリーズ:c接点×4
コイル電圧
コイル電圧とは、コイルを励磁させるために必要な電圧のことです。
要は接点切り替えさせるために必要な電圧のことです。
DC、ACタイプそれぞれラインナップされています。
乾電池で動作させる場合はDC6Vリレーをおすすめします。
秋月電子通商にて購入可能です。
リレー :952-4C-6DN
ソケット:PYF14A-A
接点定格
接点定格とは、主に接点に流してもよい電流値のことをいいます。
出力回路で流れる電流値を調べて、接点定格が十分大きくなるように選定します。
接点に定格を超える電流を流すと、接点溶けてくっついたまま接点が切り替わらなくなります。
この現象を接点溶着といいます。
白熱電球等の抵抗負荷の場合は、点灯直後通常の10~20倍の電流が流れることがあります。
フィラメントは、温度が低いと抵抗が小さくなるためです。
接点定格の確認方法
接点定格の確認方法は、WEB上の機器仕様説明ページを参照して確認してください。
メーカーによっては、取扱説明書をダウンロードして内容確認が必要な場合もあります。
まとめ
- リレーは有接点と無接点タイプがある。
- 入力信号を用いて、複数回路の開閉ができる。
- リレー選定時は、接点定格に注意する。
リレーは電気制御ではとてもよく使われる機器ですので、ぜひ選び方・使い方を覚えて活用できるようになってください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
リレーシーケンス回路の作り方については、こちらの記事で詳しく説明しています。
筆者が実際に作った、リレーを使った工作の設計方法を紹介しています。
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