\ 限定の返礼品あり! /
有接点シーケンス制御回路の作り方と回路例、ボタンとランプの使い方をやさしく解説
こんにちは、せでぃあ(@cediablog)です。
リレーの仕組みや役割について理解したら、「リレーシーケンス回路」を学習することをおすすめします。
リレーシーケンス回路は、電気回路設計において超定番な回路になります。
プログラミングを用いたソフトウェア回路設計の概念にもつながるため、是非覚えてください。
本記事では、初心者向けに有接点リレーを用いた制御回路例を用いて分かりやすく、ていねいに説明します。
リレーを用いた制御といえばこれ!というくらい定番です
- 有接点リレーの仕組みと役割り
- シーケンス制御の概念
- リレーシーケンス回路の設計手法
✅電験三種合格者
✅プライム企業に勤める電気・機械設計エンジニア
✅子供と一緒に電子工作を作り、2作品で発明くふう展受賞経験あり
✅本ブログにてArduinoスクラッチプログラミングLESSON記事投稿中
✅YouTubeチャンネル「せでぃあブログちゃんねる」運営中
有接点リレーの仕組みと役割り
有接点リレーとは
リレーとは入力信号を受け取り、別回路のオンオフ切り替え可能な機器です。
コイルに電圧が印可されることで、電磁石がONして接点が切り替わる構造になっています。
有接点リレーは、産業機器の制御盤内でもよく使われているFA機器です。
接点の種類
リレーの接点は3種類あります。
コイル印可電圧がOFF・ON時の接点状態が異なるa接点、b接点があります。
a接点、b接点を兼ね備えた接点がc接点になります。
有接点リレーの特徴(メリット・デメリット)
有接点リレーの特徴について説明します。
半導体方式の「無接点リレー」というものがありますが、無接点リレーとの比較ポイントともいえる特徴を挙げます。
- 大きな電流回路を開閉できる
- ノイズに強い
- 接点動作タイムラグが発生する
大きな電流回路を開閉できる
一般的に無接点リレーの接点定格に比べて、有接点リレーの接点定格は大きい(1A以上)です。
これは、有接点リレーの特徴である「物理的接点による回路の開閉」機構によるメリットと言えます。
これにより、DC24VでリレーコイルをONし、AC100Vのモーターを回転させることも可能です。
ノイズに強い
電磁石をONさせるレベルまで電圧をかけないと動作しないため、ノイズに強いです。
ノイズが発生しやすい環境や、動作の安定性を求める回路で活躍します。
接点動作タイムラグが発生する
これは有接点リレーの特徴である「電磁石による接点切り替え」が原因で起きるデメリットです。
たとえば、カメラ撮像と同時にストロボ照明をONさせたいときに、有接点リレーを使うとストロボ照明の点灯が遅れてしまい撮像画像が暗くなってしまうといった問題がおきます。
コイルONに対する接点ONの追従性を求める場合は、無接点リレー(ソリッドステートリレー)が適しています。
有接点リレーの動作原理を知りたい方はぜひ、こちらの動画付き解説記事をごらんください!
リレーシーケンスとは
シーケンス制御の定義
シーケンス(sequence)制御とは、JIS(日本産業規格)において以下の定義がされています。
あらかじめ定められた順序または手続きに従って制御の各段階を逐次進めていく制御
JIS Z 8116
電気設計初心者の方は、これを見てもどんな制御かイメージがつかないかもしれません。
言い換えると「決まった順序で動作させるための制御回路」となります。
シーケンス制御の例
きまった順序で動作する身近な機器として、信号機が挙げられます。
信号機は青⇒黄色⇒赤⇒青・・・といった順番にランプが点灯します。
「どれくらいの時間」「どのような順番で」ランプを点灯させるのか、の制御がシーケンス制御になります。
なんとなくイメージがつきましたか?
リレーシーケンスの学習本↓
押しボタンとランプを用いた回路を考える
まず動作フローを整理しよう
- 押しボタン(a接点モーメンタリタイプ)
- 豆電球(DC3V)
- リレー(DC6V・4回路・C接点)
- 押しボタンを押したら、ランプが点灯
- もう一度押しボタンを押すとランプが消灯
- 以降押しボタンを押す毎に①⇒②を繰り返す
上記タイムチャートの如く、押しボタンを押す毎にランプ点灯⇒消灯を繰り返す動作になります。
シーケンス=制御の順番を考える
制御の順番を考えていきます。
動作としては「押しボタンを押す毎に、ランプ点灯⇒消灯を繰り返す」になります。
制御の順番を考えるときは、「入力機器の状態がどう変化して、出力機器の状態をどう変化させるか?」考えます。
入力は「条件」、出力は「結果」という考え方をします。
- 入力:押しボタンがOFF⇒ON
- 出力:ランプがOFF⇒ON
- 入力:押しボタンがON⇒OFF
- 入力:押しボタンがOFF⇒ON
- 出力:ランプがON⇒OFF
- 入力:押しボタンがON⇒OFF
上記がシーケンスの考え方になります。
ここで重要なポイントは「③入力:押しボタンがON⇒OFF」です。
「押しボタンを押した後、ボタンから手を離した」ことを条件としています。
この条件を制御順序に加えることで「2回目の押しボタン押し下げ」の条件を作ることができます。
つまり、1度ボタンを押して手が離れてからもう一度ボタンを押したという条件を作るために必要な順序になります。
もう一つポイントがあります。「⑥入力:押しボタンがON⇒OFF」です。
こちらも上記③のケースと同様に条件作成が目的となります。
この考慮をしないと2回目の押しボタンON状態がキープされたとき、ランプがOFF⇒ONに切り替わってしまいます。
例外を認めない条件を作ることが大切です!
電気回路を作る
リレーを用いて、先ほどのシーケンスを電気回路にて構築します。
シーケンスの解説
1回目の押しボタン押し下げ操作から、ランプ点灯~ランプ消灯までの流れを説明します。
押しボタンスイッチの入力信号情報を用いて、ランプ点灯条件であるリレー:R2のON/OFF制御を行います。
本回路では押しボタンが押された(ON)、手が離れた(OFF)という独立した条件が必要です。
そのために、リレーをR1を使って接点増幅をします。
リレー:R1のa接点がONすることで、R2がONし自己保持します。
R2がONすることで、ランプを点灯させます。
リレー:R1のb接点がONすることで、R3がONし自己保持します。
これで1回目の押しボタン押し下げサイクルが完了です。
リレー:R1のa接点がONすることで、R4がONし自己保持します。
リレー:R4のb接点がONすることで、R2がOFFします。
R2がOFFすることで、ランプを消灯させます。
リレー:R2のa接点がOFFすることで、R3がOFFします。
リレー:R1のb接点がONすることで、R5がONし自己保持します。
リレー:R5のb接点がONすることで、R4がOFFします。
リレー:R4のa接点がOFFすることで、R5がOFFします。
シーケンス制御をタイムチャートにすると、以下のようになります。
このように有接点リレーシーケンス回路というのは、リレーのコイルをONさせて、その接点を使って別のコイルをONさせる回路を繰り返して構築していきます。
最終的に回路完了条件のリレーコイル(R4)接点を、シーケンス回路の始まりの自己保持回路(R2)解除条件として用いてシーケンス回路をすべてOFFさせます。
JTEXで制御に関する通信講座が受けられます
通信講座ってお高いイメージがあるんですけど・・・
JTEXは1971年に設立した、職業能力開発促進法第31条の職業訓練法人です。
ものづくり技術学習講座のほか、資格取得準備講座、マネジメントスキル、現場力に関する講座など400以上の講座を取り扱っています。
職業訓練法人のため受講費用も低価格設定になっており、法人からの申し込みのほか個人での申し込みも可能です。
JTEXは職業訓練法人なので、他に比べてお値打ちです
- 受講期間:2か月
- レベル:初級
- 個人受講費用:15,400円(税込)
- テキスト:1冊
- レポート回数:2回
シーケンス制御の原理を絵で見て学習できる、初心者向け入門講座です
シーケンスの知識が無いため受講しました。すごくわかりやすく理解できました。
JTEX公式サイト「受講者の声」より
シーケンス制御の初歩的なことが理解でき、イメージを把握することができました。
JTEX公式サイト「受講者の声」より
この講座で学習できる内容をもっと知りたくなりました!
シーケンス制御回路について学べる講座が多数ラインナップされています
>>職業訓練法人主催の制御講座を見てみるまとめ
- シーケンス制御とは、決められた順序で動作を進める制御
- シーケンス回路設計は、制御順序を検討してから回路に落とし込む順序で行う
- タイムチャートを作るとシーケンスの整理ができる
制御動作を1工程ずつ丁寧に洗い出すことが大切ですよ
今回例にあげた回路は、以下部品を準備することで製作することが可能です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント