電験三種は一発合格を狙うべき?半年に一度の試験に対する戦略を考察
こんにちは、せでぃあ(@cediablog)です。
電験三種は一発合格を目指すべきですか?
このようなお悩みにお応えします。
ご存じの通り、電験三種は「理論」「電力」「機械」「法規」の4科目全て合格しなければならない難関資格です。
私は電験三種の合格を目指してから合格するまで4年かかった経験があるため、その難易度の高さは十分理解しています。
本記事では、そんな私が考察した「電験三種の一発合格は狙うべきなのか?」について紹介します。
合格までのプランニングにお悩みの方の参考になれば、幸いです。
<いつから受験勉強始めた?>
大学(電気工学)卒業後、社会人になり転職して2社目のエンジニアリング会社に派遣社員として勤めてから、自身のステータスアップのために独学で勉強を始めました。
職歴についてはプロフィールを参照ください。
<独学による合格までの道のり>
1年目:4科目全部不合格
2年目:「法規」に合格
3年目:「理論」に合格
4年目:「電力」「機械」に合格し、合格持越しの2科目と合わせて『合格者』となり第三種電気主任技術者免状を受領。
- 一発合格は狙うべき?
- 一発合格するメリットとは?
- 科目別合格制度活用のすすめ
電験三種の概要と試験日
電験三種は「第三種電気主任技術者」のことを言います。
電気事業法に基づく国家資格であり、取得することで電気主任技術者という独占業務に就くことができます。
受験科目は「理論」「電力」「機械」「法規」の4科目あり、この全てに合格することで『免状』が交付されます。
項目 | 上期試験 | 下期試験 |
---|---|---|
CBT方式試験日 | 7月4日(木)~7月28日(日) | 2月6日(木)~3月2日(日) |
筆記方式試験日 | 8月18日(日) | 3月23日(日) |
受験申込受付期間 | 5月20日(月)~6月6日(木) | 11月11日(月)~11月28日(木) |
項目 | 上期試験 | 下期試験 |
---|---|---|
CBT方式 試験日 | 7月4日(木) ~7月28日(日) | 2月6日(木) ~3月2日(日) |
筆記方式 試験日 | 8月18日(日) | 3月23日(日) |
受験申込 受付期間 | 5月20日(月) ~6月6日(木) | 11月11日(月) ~11月28日(木) |
電験三種の受験申込方法については、こちらの記事にて詳しく説明しています。
電験三種の一発合格は狙うべき?
私は電験三種の一発合格は狙わない方が良い、というより狙ってもつかみ取ることが困難と考えます。
一発合格のハードルはめちゃめちゃ高いです。
冒頭でも申し上げましたが、私は電験三種合格までに4年の歳月を費やしました。
電験三種で一発合格することは、とても難しいことであると認識しています。
- 試験問題が難しい
- 4科目全て一発で合格しなければならない
- 出題範囲が広い
試験問題が難しい
電験三種の合格率は10%前後であり、難関資格の一つと言われています。
参考までに、一般財団法人 電気技術者試験センターHPで公開されているデータを基に合格率の推移をグラフ化しました。
科目別合格制度を使った、全科目合格者も含めた合格率です。
ここ10年間における合格率の推移を確認してみると、直近では合格率が15%を超えている傾向がみられるものの、合格率が低い難関資格であることには変わりはありません。
マークシート方式で5つの選択肢から1つの回答を選択するだけとはいえ、計算問題が多く様々な公式を覚えていなければ問題を解くことができないことが難しさの理由と言えます。
私は残り2択まで追い込んでからの、追い込みに苦戦しました
科目別合格率の推移についても知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。
4科目全て一発で合格しなければならない
正直言って、一発合格する人はすごい人だと思います。
電験三種は「理論」「電力」「機械」「法規」の4科目全てに合格しなければ、資格取得となりません。
これらの4科目は、試験問題が難しい上に出題内容が異なるため、一発合格のハードルの高さは相当なものです。
さすがにこれらの4科目をまとめて合格するのは難しいため、科目別合格制度という「一度合格した科目は2年間合格状態を持ち越せる制度」が用意されています。
私も科目別合格制度を利用して、資格取得することができました。
出題範囲が広い
電験三種に合格するために必要な学習時間は、1000時間程度と言われています。
つまり、それぐらい学習範囲が広いということです。
「理論」「電力」「機械」「法規」の4科目に合格する必要があるということが背景にあると言えます。
社会人など、平日の昼間に勉強する時間を確保できない環境にある人にとって、1000時間もの学習時間を確保することは大変なことです。
一発合格できる人とは
どんな人が、一発合格を狙えるのか?
これまでかなりの学習時間を費やしてきた人、つまり全4科目の基礎知識を十分に持っている人になります。
一発合格を目指せるかどうかの目安として、過去問を解いてみる方法がおすすめです。
過去問を解いて、全科目50点以上取れるなら一発合格を狙うべきです。
全4科目の過去問を解いて、全く解けなかったら「一発合格を狙えない人」です。
また、解けなかった問題の解説を読んで理解できなかった場合も同様に「一発合格を狙わない方がいい人」です。
これまで電気の知識をしっかり学んできた自負のある方は、過去問を解いてみて実力を確認してみてください。
過去問を使ったおすすめ学習方法については、こちらの記事で詳しく説明しています。
一発合格のメリット
電験三種を一発合格することで得られるメリットについて、紹介します。
- 電気主任技術者に早くなれる
- 転職に有利
- 自分に自信が持てる
電気主任技術者に早くなれる
電験三種を取得することで、電気主任技術者という独占業務に就くことができます。
電気主任技術者としての仕事がしたい方にとっては、いち早く独占業務に就くことができるため、一発合格することはとてもメリットがあると言えます。
技術職は職人の世界とも言えますし、経験を積むことで腕を磨くことができる世界です。
若くして職人の世界に飛び込み腕を磨くことは、あなたの将来をより明るいものにするきっかけにつながると思います。
転職に有利
電験三種は、電気技術者にとって有力なステータスであると言えます。
転職活動時には、電験三種という難関資格を取得している技術者として企業にアピールすることができます。
一方で、求人募集している企業側がピンポイントで電験三種合格者を求めていない場合は大きなアピールポイントとなりにくい可能性もあるため注意が必要です。
転職してから資格を取得するという選択肢もありますし、若さのほうが転職に有利に働くこともあります。
転職したいという思いがあるのであれば、すぐ行動に移すことも検討すべきです。
転職エージェントを活用すれば、仕事をしながらの転職活動が楽に進められますよ!
自分に自信が持てる
合格率10%前後の難関資格に合格することで、努力して結果を出せた自分に自信が持てるようになります。
その自信が、転職によるキャリアアップや、電験二種へのステップアップへのモチベーションにつながっていきます。
私は電験三種合格をきっかけに、転職を決意しました!
科目別合格制度活用のすすめ
電験三種は、一発合格が難しい資格です。
そこでうまく活用したいのが「科目別合格制度」です。
科目別合格制度とは
科目別合格制度とは、1度試験に合格した科目は最大で連続して5回まで試験が免除されるというものです。
つまり、その科目の合格状態を、最大で5回分持ち越しできるというものです。
この制度がなかったら、合格率は今よりとんでもなく低くなってしまうくらい重要な制度です。
科目別合格制度のご利益が大きくなった
これまで年1回だった、電験三種の試験回数が令和4年度から年2回に増えました。
科目合格繰り越し制度は、これまでと同様に2年間有効なため、持ち越しできる試験回数が従来の2回から5回に大幅増加することになりました。
私は科目別合格制度を使って、ギリギリ合格できました
1年目:法規に合格
2年目:理論に合格
3年目:電力と機械に合格
3年目に電力か機械のどちらかが不合格だった場合、1年目に合格した法規の合格繰り越し権利が消失して4年目に受験し直しが必要になるところでした。
このように、これまでは1年に1科目合格するだけでは全科目合格できない環境でした。
それが5回も繰り越せるようになったのは、嬉しいですよね!
5回も合格状態が繰り越せるのは大きなメリットですね!
半年に1科目合格すれば、2年で全科目合格できる
科目合格状態が繰り越せるのはこれまでと変わらず2年間ですが、試験回数が年2回に増えたことで全科目合格に向けたプランニングが大きく変わってきました。
上記が1回の試験で1科目合格した場合の、全科目合格プラン例となります。
つまり、半年に1科目合格すれば、2年で全科目合格できるということです。
半年ごとに1科目の学習に集中できるメリットは大きいですよね!
電験三種合格に向けたおすすめ学習方法
私が実際に電験三種の合格に向けて実践してきた、おすすめ学習方法をご紹介します。
これは、一発合格を目指す方も科目別合格制度を使って合格を目指す方にも共通する内容になると思います。
参考書と過去問の併用がおすすめ
電験三種合格に向けた学習方法としては、参考書と過去問を使った学習方法がおすすめです。
STEP1:参考書による基礎知識の底上げ
まずは参考書による、基礎知識レベルの底上げから始めます。
いきなり過去問学習からチャレンジしてもさっぱり解けませんし、回答の解説を見ても理解ができないという問題に直面してしまうからです。
参考書は自分の知識レベルに合ったものを選択してください。
フルカラーで分かりやすさに定評がある参考書が、みんほしシリーズです!
文系出身の方や、電気の知識に自信のない初学者の方は、参考書を使って学習する前の学習用のテキストがありますので、参考にしていただければ幸いです。
STEP2:過去問による実践トレーニング
電験三種の出題範囲はとても広く、様々な問題が出題されます。
そのためより多くの問題を解けるようになっておく必要があるため、過去問による反復学習が仕上げ学習としておすすめです。
私も過去問を何周も繰り返し解いて、解ける問題を増やしました。
過去問は過去5年分以上、周回学習することをおすすめします。
最近は過去問の使いまわし傾向が見られる
令和4年度の電験三種試験「理論」にて、過去に出題された問題とまったく同じ問題が7問も出題されていたことをご存知でしょうか?
令和4年度「理論」で過去問が使いまわされた問題数
・上期(2022年8月試験):4問
・下期(2023年3月試験):3問
この傾向は見逃せませんね!
試験頻度が年に2回に増えたことや、令和5年度からCBT方式が始まったことで試験作成側の負担が増加したことが背景にあるのかもしれませんが、近年過去問の使いまわし傾向が見られるようになりました。
令和4年度の傾向を見ると、10年以上前の過去問が使いまわされていることが分かっており、10年以上前の過去問を学習することにもメリットがある印象を受けました。
過去問学習はやればやるほど、知識が身に着きますが学習時間確保が困難になります。
よって、あなたが確保できる学習時間に応じて合格を狙う科目の選択と集中が必要になります。
広く浅くではなく、1科目でも確実に合格をつかみ取ることが大切です!
試験は全科目受験しよう
一発合格を狙わないからと言って、狙った科目だけ受験することはもったいないです。
まだ合格できていない科目は、すべて試験を受けることをおすすめします。
電験三種の問題は、5つの選択肢から回答を選択する方式です。
つまり、全く解けない問題に遭遇しても20%の確率で正解できるということです。
各科目の合格ライン目安は60点なので、運だけで合格できるほど甘くはありません。
ですが、試験の実践練習も兼ねて受験しておくことにもメリットがあると考えます。
選択式なので、試験にチャレンジする価値はあると思います。
電験三種の一発合格は難しいのか?(まとめ)
- 電験三種の一発合格は難しい
- 科目別合格制度を活用することで、狙った科目の学習に集中できる
- 参考書と過去問の併用学習がおすすめ
まずは1科目合格することを目指したいと思います!
電験三種の一発合格ができたら嬉しいですし、得られるメリットもありますが、簡単ではありません。
あらかじめそれなりの基礎知識を持っていなければ、一発合格は極めて困難だと思います。
ですが、試験機会の増加など受験者にとって有利となる追い風が吹いている状況なのは嬉しい事実です。
まずは1科目合格をつかみ取り、残りの3科目合格に向けたモチベーションをアップさせていくことをおすすめします。
半年に一度の試験に向けて、半年間でどの科目の勉強をするのか?
あなたの知識レベルと確保できる学習時間に応じた選択と集中プランニングを行い、全科目合格を目指して頑張ってください!
あなたの電験三種合格を応援しています!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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