夏休みの自由研究におすすめ!電子工作じゃんけん装置のリレー回路図の設計方法
じゃんけん装置の電気設計方法が知りたいです。
じゃんけん装置を製作するにあたり、設計のやり方に興味を持つ方もいると思います。
そこで本記事では初心者にもわかりやすいじゃんけん装置の電気設計ノウハウをお届けします。
じゃんけんは初心者におすすめのテーマなんだ。
- 電気回路設計の進め方
- 電気図面の書き方
- リレーの仕組みと役割り
✅電験三種合格者
✅プライム企業に勤める電気・機械設計エンジニア
✅子供と一緒に電子工作を作り、2作品で発明くふう展受賞経験あり
✅本ブログにてArduinoスクラッチプログラミングLESSON記事投稿中
✅YouTubeチャンネル「せでぃあブログちゃんねる」運営中
じゃんけんは電気回路設計初心者におすすめのテーマ
じゃんけんって誰もが子供のころから知っている身近な遊びですよね。
そんな多くの人に親しまれているじゃんけんは、電気設計初心者にとってもおすすめのテーマなのです。
- 誰もが知っているルールのアイデア工作
- 相手との手の組み合わせで結果が変わる「アルゴリズム」の要素がある
- 2人対戦前提なら回路構成が簡単でやさしい
さあ、設計をはじめよう
それでは電気設計をはじめていきましょう。
今回は2人(AさんとBさんの対戦)で行うじゃんけんを前提に設計を進めます。
まず設計をはじめるにあたり、どんな情報を使ってどんな結果を出すのか?を考えます。
使う情報のことを「インプット情報」、出す結果のことを「アウトプット情報」といいます。
まずは扱う情報を整理するんだね
インプット情報とアウトプット情報を整理しよう
インプット情報
まずはじめにインプット情報から整理します。
じゃんけんの手「グー」「チョキ」「パー」がその情報に該当します。
じゃんけんの手はAさんの手とBさんの手がそれぞれあるので、インプット情報は以下になります。
- Aさんのグー
- Aさんのチョキ
- Aさんのパー
- Bさんのグー
- Bさんのチョキ
- Bさんのパー
アウトプット情報
続いてアウトプット情報を整理します。
じゃんけんでのアウトプット情報は「じゃんけんの結果」になります。
- Aさんの勝ち=Bさんの負け
- あいこ
- Aさんの負け=Bさんの勝ち
これでインプット情報とアウトプット情報が抽出できました。
インプット情報とアウトプット情報の関係を考えよう
抽出したインプット情報がどうアウトプット情報に関わるのかを考えます。
じゃんけんでは2人の出す手の組み合わせでじゃんけん結果が変わってきます。
じゃんけんの組み合わせは9通り
今回は2人でのじゃんけんを前提に検討をすすめていきます。
上記表の通り、じゃんけんの組み合わせは全部で9通りになります。
じゃんけんの結果を色分けしていますが、結果は3通りしか存在していません。
これでインプット情報とアウトプット情報の関係性について検討することができました。
じゃんけんってシンプルだね
電気配線図面を書いてみよう
電気配線図面を書く目的は「どのように電気配線したらいいか示す」ためです。
電気配線図面を書かずに工作を行うことは、地図を持たずに旅に出るようなものです。
それでは、先ほど検討したインプット情報とアウトプット情報の関係性を図面に落とし込んでいきます。
電気図面のルール
本記事は初心者向けのため、重要なポイントのみ説明します。
- どの機器と機器ををつなげるのかを示す
- 配線の交点は●で示す
- JISで定められた電気シンボルを使う
どの機器とどの機器をつなげるのかを示す
電気配線図面は「どの機器とどの機器がつながっているか」を示すものです。
押しボタンやリレーには相手機器と接続するための「端子」とよばれる接続部を持っています。
図面ではこの端子と端子をつなぐ指示をします。
配線の交点は●で示す
図面上で線が交わることがあります。
交点に●が記されている場合は接続し、なければ「またぐ」ことになります。
JISで定められた電気シンボルを使う
JIS C 0617で定められた電気図用記号を使います。
以下はじゃんけん装置の電気配線図で使用される記号になります。
a接点とは通常時開いている接点、b接点とは通常時閉じている接点になります。
今回使用しているのは、すべて「a接点」です。
押しボタンの場合、a接点はボタンを押したら閉じる回路となります。
電気回路図はこうなります
インプット情報とアウトプット情報を組み合わせるとこうなります。
なぜリレーを使っているのか?
実はボタンだけで配線すると、全ランプが同時に点灯してしまいます。
Bさんがグーを出したときの組み合わせ回路です。
Bさんがグーに対してAさんの出す「グー」「チョキ」「パー」の3通りを組み合わせると、Bさんのグーボタンと全ランプがつながってしまいます。
つまり、じゃんけんは9通りの条件が独立している必要があります。
Bさんのグーボタン後の配線が共通化してしまうため問題になります。
これを回避する方法は以下になります。
- a接点が3つ以上のボタンを使用する
- リレーを使って接点増幅する
前者のa接点3つ以上の押しボタンは大型のボタンしか、筆者は見つけられませんでした。
そこでリレーを使うことにしました。
リレーはコイルの定格電圧が6Vが一番低いものだったのでこれを選定しました。
豆電球が定格2.5Vのため3V電源としています。
リレーのためだけに、あえて6V回路を構築しているわけです。
リレーとは?
リレーとは電磁石を使って接点を切り替える機器です。
産業機器の制御盤内でもよく使われているFA機器で「電磁継電器」とも言われます。
コイルに電圧を加えると電磁石となり、接点ブロックを引き寄せます。
コイルOFFのときはb接点側に接触している板が、ONになるとa接点側に切り替わります。
今回はその接点が4つ独立しているものを選択しています。
これをつかえば目的が果たせるわけです。
リレーは手軽に独立した接点を増やせる機器なんだね
まとめ
- じゃんけんは電気設計初心者のテーマにおすすめ
- アウトプット情報とインプット情報の整理が大切
- リレーを使えば独立した接点増幅が可能
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