派遣は二度とやらないと決意した「5つの理由」と退職時の注意点
こんにちは、元派遣エンジニアのせでぃあ(@cediablog)です。
このような人に読んで欲しい
- 派遣を辞めて転職したいと思っている方
- このまま派遣社員を続けることに将来が不安な方
- 派遣を辞めたいけど退職を引き留められて困っている方
私はかつて、大手エンジニアリング会社に派遣社員として5年間、産業機器の電気回路・ソフトウェア制御設計業務に従事してきました。
私はいわゆる「正社員型派遣(無期雇用派遣)」だったので、職場が派遣先ということを除けば昇給・ボーナスもある「一見普通の正社員エンジニア」でした。
ですが、派遣先のプロパー正社員とは待遇・将来の姿が全く違うんです。
私は派遣のまま続けていては、将来必ず格差社会の負け組側になると確信しました。
転職を決意した私は、国家資格である電験三種の取得して自らのアピール力を高め、プライム企業の正社員に転職することができました。
本記事では、私の派遣社員からプロパー正社員に転職した経験談を交えてあなたの悩みを解決できる情報をお届けします。
✅大手エンジニアリング会社に、派遣社員として5年間勤務
✅電験三種合格を機に転職を決意
✅転職エージェントを活用し、プライム企業に転職成功
✅転職後の異動経験を経て、多様なスキルを身に着ける
- 【超重要】プロパー正社員と派遣社員の酷い格差
- 大手企業に派遣された人が得られるメリット
- 派遣を辞めさせないためのワナへの対処法
派遣社員からプロパー正社員へのステップアップ方法も紹介します。
転職の武器はスキルだけではなく、若さも重要なステータスになります。
派遣は二度とやらないと決意した理由
私が派遣は二度とやらないと決意した5つの理由を紹介します。
派遣は二度とやらないと決意した理由
- プロパー社員に見下される。
- 劣等感を感じる。
- ボーナスが少ない。
- 派遣切りや撤退リスクがある。
- 将来が不安で仕方がなくなる。
派遣ならではのデメリットが分かるように詳しく解説していきます。
プロパー社員に見下される
派遣社員は、派遣先で下に見られることがよくあります。
派遣先の社員は派遣社員を「雇ってあげている」とでも思っているのでしょうか?
私は年下のプロパー社員からタメ口を利かれ、嫌な思いをしました。
同じ社会人であり、同じ人間。
尊敬されなくとも、見下される理由などありません。
私はプロパー社員が派遣社員を見下す態度にいらだちを感じていました。
プロパー社員というだけで偉そうにされると、ストレスが溜まります。
劣等感を感じる
派遣先職場で仕事をしていると、いやでもプロパー社員との待遇差を知ることになります。
私が感じた待遇差
- 労働組合に入れない。
- 福利厚生が利用できない。
- 「よそもの」感が漂う。
職場が派遣先企業の構内になるだけで、派遣社員は別会社の人間です。
ですので、あたりまえですが派遣先企業の労働組合に入れなかったり、福利厚生を利用できません。
そうした待遇差にさらされることで、やっぱり自分はよそものなんだと劣等感を感じるようになりました。
その他割引斡旋キャンペーンも派遣は適用外だったりしました。
ボーナスが少ない
派遣会社の特徴として「ボーナスが少ない」ことがあげられます。
例えば一般的な企業では、その企業が製造販売している商品がメガヒットした場合、そこで得た利益の一部がボーナスとして社員に還元される仕組みがあったりします。
派遣会社は派遣先に社員を派遣した時間で収入を得ているため、社員一人当たりの収益パフォーマンスが劇的にアップすることは難しい仕組みになっているのです。
派遣レート(時間当たりの派遣料金)がいきなりとんでもなくアップすることは考えにくいのです。
同じ正社員として企業に勤めていながら、プロパー社員とのボーナス格差はとても大きかったです。
仕事ができる派遣社員ほど、虚しさを感じるはずです。
派遣切りや撤退リスクがある
派遣切りや派遣先からの撤退は、派遣社員である以上避けることができない大きなリスクです。
正社員型の派遣社員は派遣切りされても派遣元の会社を解雇されることはありません。
ですが、これまで覚えた仕事のスキルが使えなくなって次の派遣先で自らが無能化するリスクが付きまといます。
私の派遣先職場では、他の派遣会社で会社ごと派遣先企業から一斉撤退する決断をしたのを目の当たりにしました。
このように、自分が派遣先で活躍していたとしても会社都合で派遣先から撤退する可能性も十分あり得ます。
これは派遣社員が持つ、避けられない大きなリスクです。
将来が不安で仕方がなくなる
これまで上げてきた派遣は二度とやらない理由の総括として、プロパー社員と将来像がまるで違うことに気付くことで大きな不安に襲われます。
不安な将来像
- いつまで昇給がつづくのか不安
- 10年後の年収格差が怖い
- いつか派遣切りされるのではないか不安
結論から言えば、派遣社員は職場環境や収入面において極めて不安定な職種であると言えます。
派遣社員を無理に続けるくらいないら、転職してプロパー正社員を目指したいと思うようになりました。
大手に派遣されたら脱派遣のチャンス
派遣社員の数少ないメリットの一つとして、「低学歴でも大手で働くことができる」があります。
大手企業に派遣されたら、脱派遣転職をするチャンスを得たと思ってください。
具体的にどんなチャンスが得られるのか?を紹介します。
大手に派遣されたら得られるチャンス
- エリート社員と切磋琢磨できる。
- 最新の技術に触れられる。
- 大きい仕事にチャレンジできる。
詳しく説明する前に、注意点があります。
大手企業に派遣されると、あたかも大手企業の正社員になって働いているかのような感覚を覚えることがあります。
これによりモチベーションがアップしたり、優越感を覚えるかもしれません。
ですが、これは完全に錯覚であり幻ですので己の立場=派遣社員であることを忘れないようにしてください。
この錯覚が大手企業に派遣される最大のリスクと言えます。
注意点の説明が終わったところで、大手企業への派遣で得られるチャンスについて説明します。
エリート社員と切磋琢磨できる
大手企業の正社員は高学歴のエリート社員である可能性が高いです。
学生時代は激しい受験戦争を勝ち抜き、大手企業の内定をつかみ取った猛者と一緒に仕事ができるのです。
派遣社員という待遇であったとしても、プレイヤーとしては「どちらが仕事ができるか」で勝負することができます。
派遣社員がプロパー正社員より仕事で高いパフォーマンスを見せつけることで「下剋上」を果たしているかのような気持ちになり、さらに自らの腕を磨くモチベーションにつなげることが可能です。
あなたがスキルを磨くチャンスを得たと思ってください!
最新の技術に触れられる
大手企業は最先端の技術力を有しているので、小さな企業では経験できない高い技術に触れられる楽しさがあります。
また、仕事で使用するCADやシミュレーションソフトなどのツールも充実しています。
仕事を効率よく進めるための仕組みやツールを使いこなすことが出来るようになれば、あなたのスキルアップにつなげることができます。
CADなどのツールを使うスキルも転職時に役に立ちます。
大きい仕事にチャレンジできる
派遣社員もスキルが認められれば、難しい仕事にチャレンジできることがあります。
私は派遣先企業で電気制御設計者として働いていましたが、腕を磨いていくうちに特殊案件を任されるようになりました。
大きい仕事を任されることでモチベーションもアップしますし、技術者としてさらなるスキルアップができます。
大手企業に派遣されたら、がむしゃらにスキルアップすることをオススメします!
自分の腕を磨き、派遣社員からプロパー正社員への転職を有利にする「価値」を高めることが重要です。
派遣をやめさせない甘いワナに惑わされるな
派遣会社は社員を派遣することで利益を得ています。
つまり、派遣社員は稼ぎの道具であるため、辞められたら大きな損失を被ることになります。
さらには派遣先から見ても、(今は)辞めてほしくない存在になります。
ですから、派遣社員がデメリットに気付いて辞めてしまわないように派遣を続けさせようとします。
あなたを辞めさせないためのワナに騙されてはいけません。
ここからは、その派遣をやめさせないためのワナについて、一例を紹介します。
派遣社員が悲観的な気持ちにならないように仕向けているわけです。
- 一致団結イベント
- 上辺だけの平等な世界
- 若いうちは格差が目立たない
一致団結イベント
これは派遣会社と派遣先企業どちらでも行われる可能性があります。
- 一致団結飲み会
- BBQ
- ビンゴ大会や景品抽選会
会社の上層部と派遣社員のコミュニケーションを取るための飲み会イベントや、この会社にいることにメリットを感じさせるための景品配りイベントが行われるケースがあります。
このイベントや景品の資金はどこから出ていると思いますか?
派遣先企業が主催するイベントの場合は、派遣先の派遣社員を継続確保するための経費として組まれた予算から使われます。
派遣会社は派遣社員が派遣先で働いて得た利益から資金を調達していると考えられます。
そんなところにお金を使うなら、社員に還元してくれと思いますよね?
派遣社員はこのようなバラマキイベントに騙されてはいけません。
景品もらって浮かれている場合じゃないですよ!
上辺だけの平等な世界
先ほどの一致団結イベントもそうですが、完全に上辺だけの世界が演じられています。
プロパー正社員は派遣社員を心の中で見下しています。
派遣会社の経営陣は、派遣社員を稼ぐ道具だと割り切って見ています。
このような気持ちが社員に伝わらないようにしていても、どこかその気持ちが漏れ出てしまうときがあります。
それがタメ口であったり、自分の本当の部下じゃないというニュアンスの発言です。
自分が逆の立場だったら同じような感情を抱いてしまうかもしれませんよね。
上辺だけの世界を横においても、そういった関係性を否定しきれない環境にいると思ってください。
若いうちは格差が目立たない
おそらく40代以降の方は、すでに格差を感じているのではないでしょうか?
一方で20代で派遣社員として働いている方は、ボーナスが少ないくらいで年収差もさほど大きくないためクリティカルなレベルでの格差を意識していないかもしれません。
派遣もプロパー正社員と同じくらいの給料がずっともらえるなんて、幻です。
派遣会社にとって基本給が安くて活動力のある若手社員は金の卵です。
そのため若くして辞められては困るので、20代のうちはそれなりに昇給すると思います。
ですが、年を重ねるにつれてこの昇給額が増えていくと思いますか?
派遣会社が利益を得る仕組みを考えれば想像できるのではないでしょうか?
ベテラン派遣社員の方なら共感していただけると思います。
派遣を辞めるときに注意すること
ここまで説明したデメリットが我慢できなければ、派遣はやめたほうがいいです。
派遣社員を辞めるにあたり、注意すべき点があります。
- 派遣社員を辞められない。
- 転職先が見つからず無職になる。
- 気まずい雰囲気で退職することになる。
このような問題が生じないための注意事項を紹介します。
- 円満退職を目指すこと。
- 仕事をしながら転職活動をすること。
- 退職を引き留められても退職意思を貫くこと。
具体的な注意事項と対策内容を紹介します。
円満退職を目指すこと
派遣先では見下される思いをし、派遣元会社ではドライな対応を見せつけられて腹が立つこともあると思います。
それでもグッと我慢して、円満退職を目指してください。
円満退職のコツ
- 退職の意思は派遣元会社の管理職に伝える。
- 退職の2か月以上前に退職意思を伝える。
- 派遣先職場で批判的な退職理由を発信しない。
退職の意思は派遣元会社の管理職に伝える
退職の意思表示は、必ずあなたの雇い主である派遣元会社の管理職に伝えてください。
派遣先の上司に相談したり、転職の意思を宣言しても派遣先の先輩や上司はなにも判断できません。
私はメールで会社の管理職に相談したいことがあるので、面談の場を設けて欲しいと伝えました。
また「退職したい」という意思は、顔を合わせてから伝えた方がいいです。
先に退職の意思を伝えてしまうと、理由を付けて面談してくれなくなる危険性があるからです。
退職の2か月以上前に退職意思を伝える
派遣社員の退職は、派遣先の企業の戦力がダウンするため派遣先に迷惑がかかります。
円満退職するには、派遣先が代わりの労働力を確保するか、派遣元が別の派遣社員を代わりに派遣するなどの対策準備ができるように2か月以上前に退職意思を伝えるようにしましょう。
転職先の企業への入社日は、派遣元会社との退職日調整をしてから確定させるようにしてください。
派遣先職場で批判的な退職理由を発信しない
プロパー正社員との待遇差に嫌気が差したので、辞めます!
退職前の挨拶などの機会で、このようなとがった内容の発言をしてはいけません。
他の派遣社員のモチベーションが下がったり、プロパー正社員との共存雰囲気が悪くなるかもしれません。
批判的な発言をしたところで、誰も幸せになりません。
たとえ、派遣社員という立場に未来を描けなかったとしても前向きな発言を心がけましょう。
笑顔で退職日を迎えましょう!
仕事をしながら転職活動をすること
これは派遣社員に限った話ではありませんが、次の転職先を決めることなく退職手続きを進めることは無職のリスクを伴います。
現に私は、新卒入社した工場で感情的に退職を決めてしまったことで無職の期間が発生してしまいました。
自由な時間を手にして転職活動の時間は十分確保できましたが、無職がいつまで続くかわからない不安な期間が発生します。
私は派遣会社を退職するときには子供がいたので、無職の期間を作りたくないと思って仕事をしながら転職活動を行っていました。
あなたは、働きながら転職活動をするのは難しいと思っていませんか?
あなたの代わりに適性の合う企業求人票を探したり、面接日程調整などを無料で行ってくれるサービスがあります。
私は転職エージェントの活用により、プライム企業正社員への転職を決めることができました。
退職を引き留められても退職意思を貫くこと
派遣会社にとって、派遣社員はお金を稼いでくれる大切な社員です。
それに派遣先にも迷惑がかかることになるので、おそらくあなたも退職を引き留められます。
退職を引き留める際に、「次の昇給で昇給額を増やす」「会社の幹部に改善を働きかける」などと駆け引きされるケースもあります。
ですが、ここで退職の意思を撤回してはいけません。
意思を撤回してはいけない理由
- 貸しを作ることになって、辞めにくくなる。
- 会社が約束を守るとは限らない。
- 派遣会社の同僚に「会社と駆け引きして特別な待遇を得た」と思われる。
会社は誰にでも退職の引き留めを行うものであり、いくら情に訴えてきても退職の意思を貫き通してください。
先に転職先の内定をもらっておくことで、退職を撤回する気持ちにならなくなります!
理不尽にも派遣元会社が退職を認めてくれない場合は、退職代行を使う手段もあります。
\ 退職成功率100%の実績! /
\ メディア掲載実績多数! /
まとめ
- 派遣社員はプロパー正社員との格差が酷い。
- 大手企業に派遣されたら己を磨くチャンス。
- 派遣を辞めさせないワナを回避して、円満退職を目指すべき。
私が派遣は二度とやらないと誓った5つの理由を基に、派遣社員を続けることのリスクと派遣社員を辞めて転職する際の注意事項についてお伝えしました。
派遣社員を辞めさせないための甘いワナ。
あなたの周りにも思い当たるものがあるのではないでしょうか?
本記事では、私が派遣社員時代に体験したことから得られた脱派遣ノウハウをお届けしました。
あなたが派遣社員生活にうんざりしているなら、今すぐ行動に出るべきです。
どれだけ高いスキルを持っていても転職先でのスキル磨きは必須です。
転職先で使うCADソフトが今つかっているものと違うものであったり、その会社ならではの要領・標準があります。
転職面談時にアピールできるスキルをみにつけつつ、若いうちでの転職を目指すことをおすすめします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。