Arduinoでタクトスイッチ(押しボタン)回路を作る【ビジュアルプログラミングLesson2】
Arduinoプログラミングキットシリーズ第二弾は「押しボタンによる点灯LED切り替え制御」です。
エレベーターの呼び出しボタンなど、押しボタンはとても身近なところで扱われている機器です。
出力でよく使われるLEDに対して、入力でよく使われるのが押しボタンになります。
小学生も安心してプログラミングができるように、スクラッチでのプログラミング方法についても動画付きで紹介しています。
LEDの次は押しボタンにチャレンジしてみよう
LESSON1:LED点灯プログラミングの学習についてはこちら!
- Arduinoで押しボタンを扱うときの配線方法
- Arduino IDEでのプログラミング方法
- スクラッチ(Scrattino3)を使ったプログラミング方法
せでぃあはこんな人物です
✅プライム企業に勤める電気・機械設計エンジニア
✅親子の絆を深めるため、夏休みに子供と一緒に電子工作を製作
✅Arduinoプログラミングを用いて作ったプログラミング電子工作「信GO機」が市の発明くふう展で「優秀賞」を受賞
✅本ブログにてArduinoスクラッチプログラミングLESSON記事投稿中
✅YouTubeチャンネル「せでぃあブログちゃんねる」運営中
子供の成長を育む!小学生のお子様にぴったりなプログラミング教室が見つかるように厳選しました!
押しボタンによるLED点灯切り替え動作の説明
今回の説明する押しボタンによるLED点灯切り替え回路の動作は以下になります。
- 押しボタン押すたびに、青⇒緑⇒黄⇒赤⇒消灯の順に点灯するLEDを切り替える
- 消灯の後は、再び青点灯からの回路が繰り返し実行される
- 押しボタンを使った点灯LEDの切り替え動作
- スクラッチを使ったプログラミング手順
まずは動画を見て、押しボタンを使ってどんな動作をさせるのかを確認してください。
また、スクラッチを使ったプログラミングをするためには準備作業が必要です。
動画にて準備作業に必要な手順をくわしく説明しています。
押しボタンによる点灯LED切り替え回路の作り方
プログラミングするために、パソコンが必要です。
電子部品等の必要な機器については、このあと説明します。
パソコンに統合開発ソフトウェア「ArduinoIDE」のインストールを行います。
Arduinoのセットアップ方法については、以下の記事にて詳しく説明しています。
Arduino IDEでの言語プログラミングも勉強したい方は、プログラミングの流れを理解しておいてください。
以下の記事にて、プログラミングから動作確認までの流れを詳しく説明しています。
パソコンにスクラッチでプログラミングするためのソフトウェア「Scrattino3(スクラッチーノ3)」のインストールを行います。
以下の記事にて詳しく説明しています。
電子部品とジャンパーワイヤの差し込みだけで配線が可能です。
専用開発ソフトウェア「Arduino IDE」を使います。
私が作成したプログラムをコピペして使ってください。
スクラッチプログラミングについては、動画または後述するプログラミング例を参考にしてください。
押しボタンを押すたびに、消灯⇒青⇒緑⇒黄⇒赤の順に点灯するLEDが切り替わっているか確認してください。
記載のプログラムは動作確認済です。
LED点灯回路で使うもの
- パソコン
- Arduino本体
- USBケーブル
- ブレッドボード
- LED(青、緑・黄・赤×各1)
- 押しボタン
- 抵抗(1kΩ×1)
- 抵抗(220Ω×4)
- ジャンパー線(オスーオス)×8本
今回はELEGOO社の初心者スターターキットに入っている部品のみで作ることができますが、Arduino裏面のショート対策としてクリアケースも併せて準備することをおすすめします。
パソコン
プログラムを作成するために必要です。
プログラム制御の演算はArduino側で行うため、パソコンのSPECは一般的なモデルで十分対応可能です。
パソコンのOSはWindows、Macどちらでも対応可能です。
Arduino本体【キット】
基本的なエディション「Arduino Uno」の互換機である、ELEGOO社のUNO R3を使用しています。
Arduino本体裏面のショート対策に、別売りのクリアケースの購入をおすすめしています。
各ソケットの役割など、Arduino本体の機能について以下の記事にて詳しく説明しています。
USBケーブル【キット】
パソコンとArduinoを接続してプログラムデータのやり取りをするために必要です。
ブレッドボード【キット】
たくさんの穴が開いていて、部品の端子を穴に差し込むだけで電気的に接続が可能な板です。
LED(青・緑・黄・赤)【キット】
赤・黄・緑・青のLED(発行ダイオード)を、各1個使用します。
LED素子にはプラスマイナスの極性があるため配線時には注意が必要です。
極性を間違えて配線すると、LEDは点灯しません
押しボタン【キット】
押しボタンは押されている間のみ、上記写真での2点が内部でつながります。
このようなボタンをモーメンタリボタンといいます。
今回は扱いませんが、ボタンから手を離してもONしたままになるボタンをオルタネイトボタンといいます。
モーメンタリ・オルタネイトボタンについては以下記事にて詳しく説明しています。
抵抗(1kΩ)【キット】
1kΩの抵抗を1本使用し、押しボタンに接続します。
抵抗を接続するのは、押しボタンがOFFのときにArduino本体がノイズによる誤検出することを避けるためです。
この記事では詳しく説明しませんが、ボタンを押していないのに押されたと誤認識されることを避ける目的であるということだけ覚えておいてください。
抵抗(220Ω)【キット】
220Ωの抵抗を4本使用し、各LEDに1本ずつ接続します。
LEDは流せる電流値に制約があるため、抵抗を直列つなぎすることでLEDに流れる電流を調節します。
抵抗は極性がないので、配線時に方向を気にする必要はありません。
LEDを点灯させるために接続する抵抗の選び方については、こちらの記事で詳しく説明しています。
ジャンパー線(オスーオス)【キット】
ジャンパー線を8本使用します。
Arduino本体とブレッドボードの接続や、ブレッドボードの共通電源ライン(GNDまたは5V)からブレッドボード内の配線系統穴に差し込んで接続するのに使います。
LEDの色とジャンパー線の色を合わせると、配線するときに分かりやすいです。
初心者キットに含まれる機器に関しては、以下の記事にて詳しく紹介しています。
【おすすめ】LESSON9以降にも対応した、スーパースターターキットを紹介しています。
配線のやり方
上図が配線説明図となりますので、これと同じ配線をすれば完成します。
- 各LEDをブレッドボードに差し込む
- 押しボタンをブレッドボードに差し込む
- 220Ω抵抗をブレッドボードに差し込む(LED用)
- 1kΩ抵抗をブレッドボードに差し込む(押しボタン用)
- ジャンパー線をブレッドボードとArduinoソケットに差し込む(7本)
- ジャンパー線をブレッドボード「5Vライン」とブレッドボード「2a」に差し込む
LEDや抵抗、ジャンパー線はArduinoのソケットやブレッドボード穴に差し込むだけでOKです。
LEDはプラス・マイナスの極性があります。
押しボタンは端子が飛び出ている側が同じ側(今回の例だとe列側)になるように差し込みます。
抵抗は極性がありません。
上記説明図で「+」マークがある側(右側)をプラス側にしてください。
LED極性の見分け方については、こちらをご確認ください。
機器故障させないためにも、USBケーブルを抜いた「通電OFF」状態にて配線を行ってください
プログラミングのやり方
Arduino IDEとスクラッチの両方について、プログラミング方法とプログラムを説明します。
2つのプログラミングの特徴は以下の通り。
ArduinoIDE:文字列による命令語形式
スクラッチ:ブロックによるビジュアル形式
文字列を使わないスクラッチの方が、直感的で分かりやすく小学生におすすめのプログラミング方法になります。
スクラッチを使ってプログラミングをする方は、スクラッチの説明まで読み飛ばしてください。
Arduino IDE
Arduino IDEとは統合開発ソフトウェアで、C言語のような文字列を用いたプログラミング方法です。
プログラミングするにあたり、ある程度の命令語を知っておく必要があります。
Arduino IDEのインストール方法については、以下の記事で詳しく説明しています。
プログラミング方法
Arduino IDEを使って、文字列プログラミングを行います。
Arduino IDEを使ったプログラミング~動作確認方法については、以下の記事で詳細説明しています。
プログラム
/* 作品名:LESSON2 */
/* 作成者:せでぃあ https://cediablog.com */
/* プログラムによる押しボタン制御(消灯⇒青⇒緑⇒黄⇒赤LED点灯切り替え) */
int mode ; //LED点灯モード
int led_B = 4 ; //青LEDのIO割り当て
int led_G = 5 ; //緑LEDのIO割り当て
int led_Y = 6 ; //黄LEDのIO割り当て
int led_R = 7 ; //赤LEDのIO割り当て
int btn_change = 10 ; //点灯LED切り替えボタンのIO割り当て
void setup() {
// put your setup code here, to run once: プログラム起動時1回だけ処理される回路
//LED点灯モードの初期設定
mode = 1 ; //初回はモード1からスタート
//入出力の割り当て
pinMode(led_B, OUTPUT); //4番ピンは出力として使用
pinMode(led_G, OUTPUT); //5番ピンは出力として使用
pinMode(led_Y, OUTPUT); //6番ピンは出力として使用
pinMode(led_R, OUTPUT); //7番ピンは出力として使用
pinMode(btn_change, INPUT); //10番ピンは入力として使用
//出力の初期化処理
digitalWrite(led_B, LOW); //青LEDを消灯
digitalWrite(led_G, LOW); //緑LEDを消灯
digitalWrite(led_Y, LOW); //黄LEDを消灯
digitalWrite(led_R, LOW); //赤LEDを消灯
}
void loop() {
// put your main code here, to run repeatedly: プログラム起動後ループ処理される回路
//LED点灯モードの切り替わりシーケンス
// モード1・・・青LED点灯
if( mode == 1 ){
if( digitalRead( btn_change ) == 1 ){
digitalWrite(led_B, HIGH); //青LED=点灯
digitalWrite(led_G, LOW); //緑LED=消灯
digitalWrite(led_Y, LOW); //黄LED=消灯
digitalWrite(led_R, LOW); //赤LED=消灯
mode = 2;
while( digitalRead( btn_change ) == 1 ){
delay(100);
}
}
}
// モード2・・・緑LED点灯
if( mode == 2 ){
if( digitalRead( btn_change ) == 1 ){
digitalWrite(led_B, LOW); //青LED=点灯
digitalWrite(led_G, HIGH); //緑LED=消灯
digitalWrite(led_Y, LOW); //黄LED=消灯
digitalWrite(led_R, LOW); //赤LED=消灯
mode = 3;
while( digitalRead( btn_change ) == 1 ){
delay(100);
}
}
}
// モード3・・・黄LED点灯
if( mode == 3 ){
if( digitalRead( btn_change ) == 1 ){
digitalWrite(led_B, LOW); //青LED=点灯
digitalWrite(led_G, LOW); //緑LED=消灯
digitalWrite(led_Y, HIGH); //黄LED=消灯
digitalWrite(led_R, LOW); //赤LED=消灯
mode = 4;
while( digitalRead( btn_change ) == 1 ){
delay(100);
}
}
}
// モード4・・・赤LED点灯
if( mode == 4 ){
if( digitalRead( btn_change ) == 1 ){
digitalWrite(led_B, LOW); //青LED=点灯
digitalWrite(led_G, LOW); //緑LED=消灯
digitalWrite(led_Y, LOW); //黄LED=消灯
digitalWrite(led_R, HIGH); //赤LED=消灯
mode = 5;
while( digitalRead( btn_change ) == 1 ){
delay(100);
}
}
}
// モード5・・・全LED消灯
if( mode == 5 ){
if( digitalRead( btn_change ) == 1 ){
digitalWrite(led_B, LOW); //青LED=点灯
digitalWrite(led_G, LOW); //緑LED=消灯
digitalWrite(led_Y, LOW); //黄LED=消灯
digitalWrite(led_R, LOW); //赤LED=消灯
mode = 1;
while( digitalRead( btn_change ) == 1 ){
delay(100);
}
}
}
}
上記がLED点灯回路のプログラムになります。
各プログラム列の右側にプログラム内容をコメント記入してありますので参考にしてください。
命令語の解説
今回のプログラムで使用した命令文について、解説します。
変数のデータ型指定
変数のデータ型を指定するものです。
今回はピンソケット番号を代入するので整数を扱う「int型」を指定します。
データ型 | 説明 | 扱える範囲 |
---|---|---|
int | 2バイトの整数を代入可能。 | -32768~32767 |
long | 4バイトの整数を代入可能 | -2,147,483,648~2,147,483,647 |
float | 4バイトの小数を代入可能。 | 3.4028235×1038~-3.4028235×1038 |
char | 1バイトの値を代入可能。文字列の代入に利用されます。 | -128~127 |
boolean | 0または1のみ代入可能。フラグのON-OFFなどに利用されます。 | 0,1 |
pinMode(入出力番号,INPUTまたはOUTPUT)
指定したデジタル入出力ソケット番号の機能を指示します。
入力として使用する場合は「INPUT」、出力の場合は「OUTPUT」を指定します。
digitalWrite(入出力番号,HIGHまたはLOW)
指定したデジタル入出力ソケット番号の電圧をON、またはOFFします。
ONさせたいときは「HIGH」、OFFさせたいときは「LOW」を指定します。
digitalRead(入出力番号)
指定したデジタル入出力ソケット番号の状態がON、またはOFFであるか確認します。
ONのときは「HIGH」、OFFのときは「LOW」の値が返ってきます。
delay(時間)
()内で指定した時間(単位はmsec)だけ、プログラム実行を待たせます。
今回のプログラムではLEDが点灯した後、500msec=0.5sec待ってから次のLED消灯命令を実行させています。
if 文
条件が成立しているときのみ、{ }内の文が実行されます。
条件が成立しなければ、{ }内の文は処理されず、次の処理に移ります。
if( 条件 ){
条件成立時に実行する文 ;
}
while 文
( )内の条件が成立している間は、{ }内の文を繰り返し実行します。
while( 条件 ){
繰り返し実行する文 ;
}
比較演算子
比較演算子 | 説明 |
---|---|
A == B | AとBが等しい場合に成立 |
A != B | AとBが等しくない場合に成立 |
A < B | AがBより小さい場合に成立 |
A <= B | AがB以下の場合に成立 |
A > B | AがBより大きい場合に成立 |
A >= B | AがB以上の場合に成立 |
スクラッチ
Scrattino3(スクラッチーノ3)というソフトウェアを使って、プログラミングする方法です。
Scrattino3のインストール方法やプログラミング、動作確認方法については、以下の記事にて詳しく説明しています。
動画を参考にプログラミングしてみよう
スクラッチプログラム(Scrattino3|スクラッチーノ3)
上記がスクラッチのプログラミングとなります。
右側の解説の()内はブロックの種類になります。
Scrattino3(スクラッチーノ3)でのスクラッチプログラミングの作り方について、本記事冒頭の動画にて詳しく説明しています。
Arduino専用ブロックについては、以下の記事にて詳しく説明しています。
LESSON2:押しボタンスイッチ回路のまとめ
- 押しボタンはオルタネイトとモーメンタリボタンがある。
- 押しボタン回路にはノイズ対策として抵抗の接続が必要
- 押しボタンが押されて、手が離れるまでを一つの動作と考える
小学生のお子様には断然、スクラッチでのプログラミングがおすすめです!
LEDと押しボタンのデジタル入出力プログラミングを覚えたら、次のLESSON3(アナログ出力回路)にチャレンジしてください。
次はアナログ出力回路にチャレンジしよう
小学生のお子様には、プログラミング教室での基礎学習をおすすめしています!
Arduinoプログラミング(スクラッチも)を使った電子工作を紹介しています。
コメント
コメント一覧 (2件)
こんにちは😃
いつも丁寧で読みやすい記事ですね!
せでぃあさんの記事を読むうちにプログラミングにも興味を持てるようになりました✨
これからもブログ頑張って下さい😊
応援しています!
はるみかんさん、コメントありがとうございます(^^)/
少しでもプログラミングに興味をもっていただけたら本当にうれしいです(#^.^#)
とっても励みになりました!
今後とも、よろしくお願いします<(_ _)>